『 風が吹けば桶屋が儲かる 』 ということわざ、ご存知ですか?
「ものごとはそんなに都合良くいかないこと」の例えや、「ものごとが思いがけない以外なところに影響を与えること」の例えです。
ちょっと由来を調べてみました。
・ 強風が吹くと土埃がたつ
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・ 土埃が目に入ると目を悪くする(=盲人が増える)
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・ 盲人は三味線を弾いて生計を立てようとするので三味線が売れる
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・ 三味線には猫の皮が使われているので猫が減る
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・ 猫が減るのでネズミが増える
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・ ネズミが桶をかじって穴を開ける
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・ 桶が売れるので桶屋が儲かる
今は亡き祖父は桶職人でした。祖父の代で廃業しましたが、我が家は桶屋だったのです。
風呂桶はもちろん、たらいや飯台、おひつも作っていました。
桶屋だったので家のお風呂は当然、木のお風呂。
薪をくべてお風呂のお湯を沸かすのです。
子供の頃、ホーローやステンレスのお風呂には、よそのお宅にでも行かない限り、入ったことはありませんでした。
私が小学生の頃だったと記憶していますが、ステンレスの浴槽に取り替えるまでずっと、木のお風呂だったのです。
さて、ことわざに出てくる桶屋だった我が家、本当に風が吹いたら仕事が増えて桶が売れたのでしょうか?
祖父は生前、「昔は木の桶がどこの家にもあったし、箍(たが)が緩くなったり、水が漏れるようなら直してほしいという人がたくさんいたから、風が吹かなくたって忙しかった。」
と話してくれたことがあります。
やはり、ことわざに過ぎないようです。
時代は変わって木の桶の需要が少なくなりました。
今では祖父のような桶職人は少ないと思いますが、昔ながらの職人さんが減っていくのは寂しい気がします。
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