⇔システムキッチンの進化⇔
建設業界に携わっていて、興味深い事のひとつに 〈キッチンの進化〉 があります。
約20年前、キッチンのショールームで働き始めた当時は、作業台の間に継ぎ目がある置き型キッチンから天板に継ぎ目の無いシステムキッチンが出回り始めた頃で、今思うと開き扉のシンプルな造りの物でした。
そんなキッチンに対して、相談に来る多くの主婦の要望は、「奥の物が取れない」「人工大理石が汚れやすい」「窓の前にも収納できるようにしたい」等様々で、メーカーはそんな声をひとつひとつ拾い上げてました。
その甲斐あってか、扉は(開き仕様)から(引出し仕様)が主流になり、大理石も熱や汚れに強いアクリル材になり、一番手が届きやすい窓の前に、光と風が通る収納もでき、限られた空間を最大限に生かす多様な進化をとげました。
そんないたれりつくせりの今のキッチンですが、ショールームで数多くの主婦と接客して思った事は、同じ説明をしても、それぞれ全く反応がちがう事です。よく考えれば全く当たり前の事ですが、身長・家族構成・予算・好みや生活の仕方・それぞれ千差万別です。大事なのはその中からいかにその人らしい《オンリー・ワン》をつくりあげ、満足していただくか、と言う事です。
住宅も様々な情報が氾濫する時代ですが、常にその人の声に耳を傾け、的確なアドバイスができる、”よき相談者でありたいと思ってます”