皆さん、「白洲 次郎」という人物はご存知でしょうか?
戦後吉田茂に請われてGHQとの折衝にあたり、日本の憲法の成立に深くかかわったとされる人物で、
昨年NHKでドラマ化もされました。
先日、その白洲次郎が住んでいた家、武相荘(ぶあいそう)を訪れました。
戦時中、築100年たった萱葺き屋根の農家を買取り、自分達の住みやすいように改築して60年近くも住み続けたそうですが、現在は娘さんが管理し、過ぎ去った時代をしのんでもらいたいとの事で、開放して見学ができるようにしています。
町田市にあるその家は、現在周りは住宅地ですが、敷地内だけは木に囲まれ、他とは一線を画し、
家の中に入ると、骨組みになる、黒々した太い梁や柱をうまく生かしながら、土間だったところを床に白いタイルをしきつめてリビングにしたりと、
現代の洋と昔の和をうまく取り込んで生活していた・・・・・という印象でした。
次郎の奥様の「白洲 正子」は骨董等の目利きとしても知られる随筆家ですので、
家のあちらこちらに、趣のある品々が飾られ、それらが古い家とマッチして、いい味わいを醸し出してました。
そこで思うのは、この家は、ある意味リフォームの理想的なお手本なのでは?
と言う事です。全てつくり替えるのも、より良い生活を手に入れる手段のひとつですが、
良いところは残して不便な場所だけ手をいれる。・・・
すごく便利ではなかったのかもしれませんが、心豊かに暮らしていたのではと思います。
昔ながらの田の字つくりの間取りもライフスタイルにあわせて様々な形になるところが、
60年間住み続けても、心地よかったところかもしれません。
こんな住まい方もある・・・・・・・・。古きを訪ね、新しきを知った良い日でした。