■ポイント
現在、新築住宅ではバリアフリー対応は標準とされています。段差の無い床、
階段には手摺の取り付けが義務付けされ、高齢化社会へと進む住環境を
介護予防として取り入れられているのです。
それでは、介護リフォームでの段差解消方法とはどんな方法があるのでしょうか。
多くはスロープの取り付けですが、全てこの方法でいいと言う訳ではありません。
既存床材の上に新規で床材を貼ることによってかさ上げが出来ます。
また、逆に高くなっているほうを下げるという工事も選択肢のひとつです。
●スロープの取り付けと注意点
段差の高さが大きくなればなるほどスロープが適さないケースがあります。
下記の参考図をご覧になってください。60mmの段差がある場合の例ですが
標準傾斜度のスロープでも前に出る寸法は約228mmとなり、傾斜度9度の
ゆるやかタイプでは、前に出る寸法は約367mm、傾斜度6度では約648mm
となります。
尺モジュールの木造建築では、ほとんどの廊下幅が芯々で910mmで造られています。
よって仕上がりの有効寸法は780mm前後となっておりますので、スロープが飛び出て
いたのでは、バリアを新たに作ってしまうことになるのです。