退院日に間に合わせ動線を考えた手摺をご提案させていただいた。
まずは玄関ポーチから。
手摺を設置する前は右側に見える黒いフェンスを利用していました。これは外構用のフェンスであり手摺のような強度はありません。また、高さも900mmなので一般的には高い位置がフェンスの天端となっています。写真でもわかるとおり黒いフェンスを手摺代わりにしようとすれば、足元の階段右端の角に脛をぶつけてしまうようになります。玄関ポーチの床に貼られている材料は鉄平石であり、特に角は危険な状態です。
そこで、フェンスの方に体が向かず、且つ安全に手摺につかまって歩けるよう、一番手前の手摺柱を鉄平石の角手前に合わせました。これで玄関ドアまでは安全にスムースに歩いていけます。
玄関に入って上り框にはL 型手摺の設置。(上り框は高さ260mmのため、高さ130mmの踏み台を取付けてあります)踏み台に昇り横手摺から縦手摺へご自身の手を移動することによりスムースに昇降が出来るようになります。
廊下から寝室にかけて安全に移動できるように手摺を設置します
トイレまでの動線です。
トイレ入口まで安全に誘導するために横手摺の取付。また、トイレに入る際には縦手摺で立位を保持します。建具は内開きのドアであったため、一時的に撤去しカーテンを吊り込みました。
トイレに入れば便器両横に跳ね上げ手摺の取付。そして、立上りに必要な縦手摺の取付。これで安心して移動・移乗・立ち上がりの動作ができます。
ちなみに、このお客様は便器に腰を落とされると体が左右にふらつくため、壁に設置する手摺よりも写真のように跳ね上げ式の床固定タイプをご提案いたしました。(商品はTOTOのトイレ用手すり EWC263 を使用いたしました)
その他にも、浴室、ホールなど改修箇所有り。
工事終了ご退院日を迎えられ、退院後1週間ほど経過した所で様子をご家族様に尋ねました。
おかげさまで無事に退院できました。そして、ご本に様が、必要なところに必要な物があり何もかも私の体の状況や行動がお見通しといった配慮で大満足だ。と、仰ってくださったとのこと。介護されるご家族様も非常に楽に介護ができます。本当にありがとうございました。
このお言葉を頂き自立支援の一助が担えたことの喜びはもちろん、このお客様の笑顔が見れて良かった。と、心底思うのでした。