障害を持つ方々の作業所に設置されてる、トイレの改修工事を依頼された。
改修する場所は、鉄筋コンクリート造のマンション1階トイレである。


開口幅が狭く車椅子では足先ほどしか進入ができません。また、手前に引くドア(外開き)になっているため、車椅子では一旦下がらなければドアは開きません。
既存での有効開口幅は650mm。
ドア設置面の壁の長さは1250mm。


1250mmの幅を3本で割り、有効開口寸法を800mmにすることで車椅子に乗ったままでも便器の傍まで進入することが可能になった。また、上吊り戸のため開閉の力はさほどいらず障害者でも高齢者でも簡単に開閉できる。
施工前の状態では、ドア横にトイレ内の照明及び換気扇のスイッチがあった。しかし、この改修では壁面が使えなくなるためスイッチは離れた壁位置に取り付けたのです。 それでは困る!と言う声が聞こえてきそうですが、照明及び換気扇は連動型の人感センサーに入れ替え、元のスイッチをONにして頂ければ建具を開けたら直ぐセンサーが反応し照明と換気扇が作動するよう提案してあります。



*施工後にこの作業所の管理スタッフの方にご協力を頂き検証しながら写真を撮らせていただきました。
入口側のL型手摺と奥の(便器横)L型手摺は高さが違います。障害者ご本人は立位の姿勢保持を短い時間なら出来る方です。そこで入口側の手摺は立位保持のために使えるよう高い位置に設置してあります。また、奥の(便器横)の手摺については座位姿勢の保持及び便座からの立ち上がりに使えるように高さを調整してあります。
*この改修方法についての提案時には、ご本人の身体状況を良く知る関係者及びご家族を含め打合せしたものです。
もう一つの改修がこの手洗い所。
現在の利用目的は、作業者の手洗い及びバケツでの水汲。
当然これでは車椅子に乗った状態では手は洗えません。
なんとか、安くてシンプルに、そして本来の目的である、手洗いとバケツでの水汲みが可能になる方法を提案しました。


いたってシンプルな提案です。マルチシンク(ボールが深型になっている)の設置と柄の長い水栓の組み合わせ。
足元の障害が無ければ車椅子でも十分手が届きます。水栓も柄の長いレバー式を取付けていますので簡単に手洗いができるようになりました。
マルチシンクのためバケツでの水汲みもOK。
ちょっとした発想の転換や工夫で、お困りの問題を解決することは可能です。しかし、建築業に従事しているものは建築の常識の範囲でしか発想が生まれません。建築と福祉両方の知識を持つ専門事業所に相談することがベストなのかもしれません。







