脳梗塞により右片麻痺。
現在入院中であるが、自宅の住環境整備を行い退院を目指す。
利用者様が車椅子で生活できるよう住環境を整える。
また、ご家族の介助負担軽減をはかる。
1、利用者様の寝室の整備
2、利用者様のトイレまでの動線確保と便器への移乗
3、、利用者様の車椅子での外出方法の整備
上記3項目を基準に住環境を整える。
さて、その改修の結果は
住宅の1室を事務所として利用されていたため、この事務所を
利用者様の寝室として改修計画を行った。
居室と事務所の床段差は39センチ。居室と事務所の出入り口はドア。
このスペースを利用者様の寝室として改修する。
居室と同じ高さに合わせ寝室スペースを造る。
居室と新たに出来た寝室の出入り口建具は、上吊(アウトセット引き戸)の引き戸に取り替えた。
また、外出を考慮し、外に面した建具は3本引き戸にし、開口スペースを十分確保した。
上吊引き戸を通過するとすぐ右手にトイレがある。
既存のトイレ開口幅は55センチ、段差は廊下側3センチ、トイレ内は6センチある。
トイレ建具も内開きタイプなので、車椅子も介助者も入れない。
既存の袖壁を解体し開口部を広げる、約70センチ幅。
既存の敷居は撤去、トイレの床も嵩上げし、廊下から
フラットで入れるようにした。
外出は、3本引き戸を開け、昇降機を利用する。
昇降機は福祉用具の貸与(レンタル)品で利用する事を提案。
完成後、入院先の主治医、PT(理学療法士)が付き添い、利用者様は一時帰宅し
完成結果のシュミレーションを行ってもらった。
トイレには、必要最低限の手摺設置箇所をシュミレーションし、利用者様の
精神的不安を取り除き、且つ御家族の介助負担軽減につながるよう最後の仕上げとなります。
シュミレーションに来ていただけた、主治医やPTの先生からは、この改修が的確であった感想を頂き、弊社もまた一つ大きな実績と経験を積ませていただきました。
【エピソード】
全てのシュミレーションが終わり・・・
先生「○○さん、病院に戻りますよ」
本人「いや、帰りたくない。もう少し自宅に居たい」
先生「病院と連絡を取ったので、夕方までには戻って下さい」
本人「笑顔でうなづく」
御家族「退院は来週以降でいいですか」
先生「そうですね・・・・」
本人「もうすぐにでも退院したい」
私「○○さん、ごめんなさい。もう数日待ってください。最短で今日打ち合わせた手摺を付けますので」
一同「トイレの手摺が取り付けられるまで待ちましょうね」
本人「少し寂しげでしたが、頷いてくれました」
そうなんです。みんなそうなんです。自宅が一番安らぐのです。
このことがよく理解できるので、弊社では住環境整備を担う使命感に燃えてしまうのです。
おしまい。