ケアマネージャー様からご依頼を頂き、利用者様、御家族、PT、OTの介護・医療専門
スタッフと共にアセスメントを行いました。
利用者様は入院中で退院予定日が既に決まっていました。
利用者様は熱心にリハビリに取り組み、室内は杖と手摺の併用により自立移動が出来そうです。
現在の住宅の問題点は
1、住宅内各所に段差があり、歩行において大きな障害となる
(リビングと廊下・廊下とトイレ入口・廊下と洗面所・リビングと台所等々)
2、水廻りの動線も含め、各所開口幅が狭くご家族の介助もできない
3、各所幅員(横幅)の狭い建具がドアタイプの為、開閉に不自由をきたす
4、手摺は何も付いていない
この問題を一つ一つクリアできる住環境整備の提案をさせて頂きました。
水廻りスペースは北側に配置される事が一般的で暗い、又、あまり広いスペースは確保
されていない。
古い建物は段差も多く見られ、建具はドアタイプが中心となっている。
上記が既存の状況です。
まずは洗面所の入口に3本引き戸を設置。
既存の袖壁を撤去し、梁補強を施した。
3本引き戸にすることで開口幅が広がり、開閉し易くなる。
そして、この引き戸を設置した上で、トイレを洗面所の中にオープンスタイルに変更した。
3本引き戸を開けると、そこは洗面所、トイレ、浴室に入る
脱衣所、その全てをワンルームのオープン空間に。
トイレから手摺を浴室入口まで連動させ障害を取り除く。
既存の敷居やドアは全て撤去し、足元はもちろん
バリアフリー。
暗かった北側の水廻り空間は、ホワイトを基調に建材を使用したので居室のような明るさも確保する事が出来た。
洗面化粧台は、TOTO最後の納品になってしまったようですが、上下スライドで高さの変更ができる「座・ドレーッサー」(現在は製造中止だそうです)
吊戸収納は奥様からのご要望で洗濯機前にも専用の収納BOXを用意いたしました。
改修前はドア。ドアの横には観音開き(両開き)の造作下駄箱収納がある。
天袋もあり、アウトセットの枠を取り付けると干渉してしまう。
綺麗にかっこよく収めるのであれば、干渉する片側を撤去しリモデルしてしまえばいい。
しかし、今回は目的が違う。『介護リフォーム・介護住宅』である。
利用者様の自立援助そして介助するご家族の負担軽減が最優先である。
もちろんこれによってコストも下げられることは言うまでもありません。
床は、全てバリアフリーに改修。
手摺も必要な箇所に設置済。
改修後、本人、御家族、ケアマネージャー、PT、OTにも確認頂き、無事退院を迎えました。