伊勢原市にお住まいのI様、先日介護保険の認定調査を受け、「要介護3」で認定された。
2年程前から『パーキンソン』を発症され、最近ではADLのほとんどを奥様が半介助する状態でした。
しかし、介護保険の申請をしていなかったためにサービスが受けられずにいたのです。
それは、介護保険そのもののしくみを知らず、何をどうすれば良いのか分からなかったからなのです。
また、障害の申請と混同し、1年以上待たなければ介護保険の申請が出来ないものだと誤解していました。
直ぐに伊勢原市でお取引のあるケアマネージャー様を紹介し、申請手続きのお手伝をさせて頂きました。
本日は、手摺取付という住宅改修工事サービスを利用していただき、また、今では1週間に1回デイサービスを利用して頂いております。奥様の負担も軽減でき、ご夫婦揃って喜んでおられます。
玄関に取付けた L型手摺です。
横の手摺棒が随分低いと感じられませんか。そうです、写真右に少し写っている手摺の位置が歩行時の適正な高さなのです。
I様は框に腰を下ろし靴を履き立ち上がる。腰を下ろした時の高さに設定してあります。一般的には出隅(写真右側の角)付近に縦手摺を設置するはずですが、前述したとおり、利用されるご本人と介助の仕方によってその方法は異なるのです。
框を下りる時も、上がるときもいったん腰を下ろしてからの動作になるのでこの設定が、I様の場合ベストと言えるでしょう。
ユニットバスの壁に取付けた逆 L型手摺です。
一般的な L型手摺と向きが逆になっています。これもご本人と介助される奥様に十分お話を伺い、どのように入浴介助をしているのか確認致しました。
I様の状態は、立位でつかまるところが無いと「ふらつき転倒の危険性がある」とわかりました。横手摺はI様が立位の状態でしっかり自分の身体を支えられるように、本人の胸よりやや下に設定(脇が上がらず自然体で掴める高さ)、そして下に向けた縦手摺は、洗い椅子からの立上り用に設定したのです。
手摺部材を取り扱う各メーカーのコラボ、オリジナルに対応した寝室壁歩行用横手摺。
I様の住宅は新築で床材、内部建具、造作材は全て「ウッドワンのチェルードセンターブラウン色」で統一されていました。そこで、手摺棒は「ウッドワンのチェルードセンターブラウン色」・エンドブラケットは「松下電工」・入隅、出隅のブラケットは「TOTO]で補強板を使わずしっかり間柱に固定し、自立支援はもちろん安全性と見た目の美しさの付加価値を追求してみました。
金物のメーカーを分けたのは、入隅、出隅に直接取付けるブラケットはTOTO しか無い。エンドブラケットと壁付けのブラケットを松下電工にしたのは、個人的な視点でエンドブラケットの形・見た目が一番美しいと感じているからです。
その他の箇所にも手摺を取付けましたが、エンドブラケットは松下電工で統一しました。
この部品コラボは、全てのメーカーが手摺棒Φ35の基準で造られているのでうまく収まっているのです。
このように、手摺の取付だけでも、利用する本人の身体状況・介助する方法・住環境等によって異なっていくことが自然だと思っております。「一般的」にとらわれず「マニュアル本」どおりでなく、あらゆる角度から検証して、本人の自立援助そして介助者の負担軽減につながる住宅改修を心がけたいものだと思う。
それには、弊社も含め住宅改修というサービスを提供する業者の「質の向上」、「知識の向上」が必要不可欠ではないでしょうか。