平塚市 S様邸 介護リフォーム
今回は「浴室の段差解消」による入浴の自立支援を紹介します。
浴室の形態はタイル調仕上げのユニットバス。
現状困っている点は、洗面脱衣所と洗い場の段差が約19センチあること。そして、つかまる物が無い状態で深さ60センチ近い浴槽に入れないこと。
さて、このような場合どうやって入浴を介助すればよいのでしょうか。
ご本人、担当のケアマネージャー様、介護するご家族様と共に入浴の介助方法を協議しました。私がご提案したのは、「段差解消と手摺の併用」です。
段差解消と言っても、浴室内のすのこ敷きは「介護保険の住宅改修工事サービス」は受けられませんので注意が必要です。
固定しない「すのこ」の場合は「福祉用具の購入」と言うサービスを使う事が出来ます。
まずは洗い場の段差解消として、TOTO製品のカラリ床すのこを敷きました。この製品は福祉用具購入の対象商品になっております。
これで洗面脱衣所から洗い場の段差は緩和できましたが、このままでは益々浴槽に入る事が出来なくなります。床面が高くなった洗い場から、深い浴槽に片足を落とし込む姿を想像してください。今まで以上に体が横に傾き、とても浴槽に入る事は出来ないのです。
そこで、浴槽内にも洗い場と同様の高さ調節が必要になってきます。商品は矢崎化工の「浴槽内すのこ」寸法は、既存浴槽に合わせオーダーメイドで製作してもらいました。2つ割りになっていますので、1つをはずせばベンチ椅子としても使用できます。
この段差解消に合わせ、併用したのが手摺となります。
逆T型の手摺は浴槽に入る時のまたぎの補助と、浴槽に入ったときの立位の支持に有効です。高さも立位の状態に合わせてあります。また、L型の手摺は浴槽に座ったときの座位の支持と立ち上がりの支援に役立ちます。
そして最後に浴室を出るとき、安心できるように出口に縦手摺を取り付けました。
S様の入浴方法は立った状態で手摺に掴まり、浴槽をまたいで入る方法です。利用者様の身体機能が異なるため全ての方に適しているわけではありません。またぐ事すら出来ない場合は、福祉用具の「バスボード」等を利用し、一旦腰を下ろして浴槽に入る提案も必要不可欠です。
介護リフォームは一人一人にあった方法を提案する事がベストなのです。